みどころ / 展示構成
みどころ
イケメン、ダークヒーロー、巨漢に怪童
「武者絵の国芳」による魅惑のヒーロー大集合!
3枚続きの大画面を活かしたダイナミックな構図、物語の決定的瞬間をつかむ描写力など、武者絵※は国芳の手で大きく進化。その魅力は、現代の漫画やアニメにも通じます。出世作の「通俗水滸伝豪傑百八人之一個(壱人)」連作/シリーズから、最晩年の6枚続きの大作《四条縄手の戦い》(前期のみ)まで、国芳の代名詞である武者絵の数々が一堂に並びます。
- ※武者絵とは、歴史・伝説・軍事物などに登場する武将たちやその合戦の場面を描いた絵。
《相馬の古内裏》
弘化2 - 3年(1845 - 46)頃 個人蔵 *通期展示
《国芳もやう正札附現金男 野晒悟助》
弘化2年(1845)頃 個人蔵 *前期展示
《吉野山合戦》
嘉永4年(1851)頃 個人蔵 *通期展示
江戸を沸かせた"笑い"の力
機知に富んだ戯画の数々に、幕府の禁令も何のその
笑いを誘い、時に風刺を潜ませた戯画も、国芳の得意なジャンルの一つ。猫、金魚、鳥、さらには道具や玩具をも擬人化させたり、絵に二重の意味を持たせたり、言葉遊びを織り込んだりと、手を替え品を替え、多くの戯画を描きました。天保13年(1842)に、役者や遊女を描くことが禁止された際にも、戯画による笑いと風刺で苦境を乗り切ります。
《おぼろ月猫の盛》
弘化3年(1846) 個人蔵 *後期展示
《きん魚づくし ぼんぼん》
天保13年(1842)頃 個人蔵 *通期展示
《里すゞめねぐらの仮宿》
弘化3年(1846) 個人蔵 *前期展示
猫を描いた新発見作品も!
愛猫家ならではのアイデアと観察眼が光る、国芳の猫たち
国芳は大の猫好きで、絵を描く時にも懐中で子猫を可愛がったと言い伝えられるほどでした。国芳の猫たちは、戯画、役者絵、美人画などジャンルの枠を超えて登場し、人気役者に扮したり、遊郭の客になったりと、人間顔負けの活躍ぶりです。本展では、新発見作品の《流行猫の変化》(通期)も展示します。